FC2ブログ

TEAM KANO戦記

美味しそうなこと、オモシロそうなことに必要以上に情熱を注ぐ人たちの記録です。スカッシュについても思いついたことを書いてみようかと。 パスワード希望の方は、実名フルネームを明記してteamkano@gmail.comまでメールしてください。

スカッシュ写真の撮り方(写真の基礎知識編)

オリンピック競技の候補に残ったことで、ちょっとしたスカッシュバブルが起こっているようです。
“こういうときに使える写真”の撮り方を、ご説明します。ひとりでも多くの撮り手がいた方がスカッシュの発展につながると思うので。


スカッシュの撮影(静止画)に必要なスキルは、以下の2つです。

・写真撮影の基礎的知識
・スカッシュの知見(その試合のレフリーができる程度)




「アートとしての写真」の場合、『良い写真』の定義は難しいのですが、「記録写真」であれば、比較的単純です。
撮りたいもの(伝えたいもの)に①ピントが合っていて、②ブレていなく、③露出(明るさ)・色が適切であること。
これが良い記録写真の条件です。ロバート・キャパによる『D-Day』のような例外はありますが。

最近は制御技術が優秀になり、カメラ任せでもかなり良い写真が撮れるようになりました。しかし、スカッシュは撮影条件が厳しいので、ちょっとテクニックが必要です。重要な順に解説していきます。



1.選手をブラさないシャッタースピードを選択する


シャッタースピードとは、「シャッターが開いている時間の長さ」です。
シャッタースピード:1/640秒で撮影した下の写真では、選手・ボールは止まっていて、ラケットのみがブレています。
03_20130607224805.jpg
D800 AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G 露出モード:マニュアル(1/640秒 f1.8) ISO:オート(2200)



現実には、選手・ボール・ラケットどれもが動いています。でも1/640秒という短い時間では、選手・ボールが動いた距離はごく僅かなので、『止まって見える』。スイング中のラケットのみが数センチ動いているため、その分が『ブレ』になります。

被写体の動きに応じて、「ブレないで撮れるシャッタースピード」を選択すること。
これがスカッシュ写真撮影スキルの最重要事項です。被写体が動き物の場合全てに共通するスキルです。上の写真ではラケットがブレていますが、スピード感を伝えるのに適したブレ量だと判断しました。でも選手の顔はブレないことが必須。顔が止まっていても、もっとブレが大きくて「選手が振っているのがラケットなのか箒なのか分らない写真」はブレ過ぎです。


シャッタースピードを速くするとブレは防げますが、デメリットがあります。シャッターが開いている時間が短いと、取り込める光の量が少なくなります。取り込める光の量が少ないと、画質が低下します。
スカッシュコートのような屋内は、日中屋外に比べてかなり光の量が少ないのです。人間の目は調整能力が高いので、照明が点いていればそんなに違わないように感じますけど。
カメラをオートに設定していると、スカッシュコートのような暗い場所では多くの光を取り込むために、カメラはシャッタースピードを遅くするようプログラムされています。1/15~1/100秒くらい。これでスカッシュを撮るとブレブレになります。
みなさんがピンボケだと思っている写真の多く(80%くらい)は、「ブレた写真」です。「ブレ+ボケ」も含めて、ですが。

スカッシュのように動きの速い被写体をブレずに撮るためには、速いシャッタースピードに設定する。でも、ブレない範囲でできるだけシャッタースピード遅くする。
「ブレはシャッタースピードでコントロールする」と覚えてください。

13.jpg
D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/125秒 f2.8) ISO:オート(2500) 露出補正+1.0




2.ピントを合わせるために、選択したフォーカスポイントで選手を追い続ける

EOS Kiss X7のCM
を見て、「ママ、スキル高っ!」と感心しました。
WS000001_20130611220939.jpg




被写体が静物(花や料理など)であれば、ピント合わせはカメラにお任せでもかなりイケますが、動体の場合はかなり難しいです。ママは、9点あるフォーカスポイントの中から真ん中上を選択し、コンティニュアスAFで子供を追い続け、ダイビングヘッドでシュートするベストなタイミングでシャッターを切っています。なかなかの腕前です。

難しい話は省きますが、スカッシュの撮影ではどうしてもピントが合う範囲が狭くなります。残念ながら、現在の技術では、カメラ任せではピントは合いません(5~10年後なら可能かも?)。オリンピックやワールドカップを撮影しているプロカメラマンでも現在はほぼ100%オートフォーカスを使っていますが、カメラ任せではありません。

ピント合わせの基本は構図を決めてから任意のフォーカスポイントを選択し、コンティニュアスAFで選手を追い続けることです。
私の基本設定を末尾に示しておきます。



DSC_1185_20130607232541.jpg
D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/640秒 f2.8) ISO:オート(4000) 露出補正-0.3

上の写真、ピントは宮武選手の左手(ラケットを握っているところ)に合っていて、顔は微妙にボケています。選択したフォーカスポイントで選手の顔を捕捉できなかった失敗例です。このくらいシビアにピントは追い込むことが必要です。







3.スポット測光を使う

カメラの初期設定は、アベレージ測光(評価測光)になっていると思います。スカッシュの撮影でアベレージ測光を使用すると、バックウォール側から撮影する場合は壁の白さに引っ張られて選手が露出アンダーに、フロント側からだと観客席の暗さに引っ張られてオーバーになります。
スポット測光で選手を捕らえましょう。ピントが追えれば、露出も大丈夫です。

原則として、「カッコイイ写真=露出アンダー(暗め)、カワイイ・優しい写真=露出オーバー(明るめ)」と覚えておきましょう。

DSC_4333.jpg
D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/125秒 f2.8) ISO:オート(6400) 露出補正+0.3






スカッシュの場合、基本はアンダー露出ですね。下のは極端な例ですが。
DSC_1867B_20130607232932.jpg
D7000 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/640秒 f2.8) ISO:オート(4000) 露出補正-1.0





4.コントラスト低下に気を配る

スカッシュの撮影は、原則アクリルボード越しになります。アクリルボード越しに撮ると、コントラストが低下します(コートによって程度が違います)。

下の写真で、素通しの上半身とバックウォール越しの下半身で、コントラストが違う(下半身の方が白っぽい)ことが分ります。
DSC_4311_20130608080236.jpg
D800 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/500秒 f2.8) ISO:オート(4500) 露出補正-0.3



私は撮影時、原則コントラストを高くする方向で補正しています。
補正し過ぎはダメですよ。あくまでも「アクリルボード低下した分を、補う」というスタンスです。





5.スカッシュ撮影時、加納の基本設定

下記はあくまでも「原則」。状況や撮影意図に応じて、適宜変更しています。
カメラはD800、レンズはAF-S 24-70mm f2.8G ED、AF-S 70-200mm f2.8G ED VRⅡ、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gの3本です。


露出モード:マニュアル(シャッタースピード:1/640秒、絞り:開放)
測光モード:スポット測光
ホワイトバランス:Auto1(電球色も補正する)
ISO感度:Auto(上限6400)
ピクチャーコントロール:カスタム「SQUASH」
AF:AF-C、9点ダイナミック、AF-ONボタンで親指AF、シャッター半押しAFはOFF
アクティブDライシング:より強め
AFロックオン:弱め
レリーズ優先
半押しAFレンズ駆動:OFF(AF-ONボタンで親指AF)
主スロット:CF(RAW記録)/副スロット:SD(JPEG記録)


DSC_4748.jpg
D800 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED 露出モード:マニュアル(1/640秒 f2.8) ISO:オート(3200) 露出補正-0.3




DSC_1754.jpg
D800 AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G 露出モード:マニュアル(1/1000秒 f2.2) ISO:オート(5000)




「スカッシュ写真の撮り方(スカッシュの知見編)」へつづく







  1. 2013/06/07(金) 22:48:48|
  2. スカッシュ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<スカッシュ写真の撮り方(スカッシュの知見編) | ホーム | 1.01の人、0.99の人>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://teamkano.blog18.fc2.com/tb.php/2085-5de71871
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)