共に切磋琢磨し、支え合う仲間の存在は松井千夏にパワーを与えている。今回連覇が成らずチームの逆作用を指摘する声もあるが、それは結果論。優勝していれば「タカノリやジュンの分まで頑張ろう!と気合いが入った」となるはずだ。再び挑戦者となった松井にとってチームは大きな助けとなるだろう。
清水にとってはどうなのか?
仲間がいることに「甘え」ないだろうか?
「チームのために自分が犠牲に…」なんてことにはならないか?
渡辺や松本を蹴落として自分が一番になろうとするだろうか…
「TEAM WATANABE入りに不安がある」といったのは練習環境や指導方法に関してではなく、清水の気持ちに対する不安だった。
加入後一年が経過した昨年の全日本、本選一回戦で岡田賢に敗れ、ベスト32に終わった清水。この結果だけを取り上げれば、私の不安が現実になってしまったことになる。
しかし今年になってからはヘッドオープン横浜北優勝から関西オープン準優勝まで着実に成績を挙げてきた。10月に行われたTEAM WATANABEの全日本壮行会&タカノリ誕生日会では「優勝します!」と宣言したという。松本の目の前で、である。
心境の変化か?
いや、清水は大風呂敷を広げるような男ではない。自分の技術とフィットネスに確かな手応えを感じたのだろう。韓国から帰国直後の宇都宮オープンではハワード・ジョーンズの老獪なゲームメイクに苦杯を喫っしたものの、この試合からも得るものがあったはずだ。
そして迎えた全日本。 『残念な結果』だった。清水自身、そう感じているようだ。それで良い。石渡に勝った直後、私が掛けた言葉は「あと2つ!」。清水は当然のようにこの言葉を受け止めた。
それでも今回の結果は「強くなりたいんです!」と広島を飛び出した清水が、初期の道筋をつけてくれた人達への「感謝の気持ちを形にする」には充分なものだろう。「おかげさまで強くなることができました」と胸を張って言える成績だ。
この2年間はどんな2年間だったのだろう?
優勝するためには何が足りなかったのか?
TEAM WATANABE加入は、どんな作用をもたらした?
(つづく)