FC2ブログ

TEAM KANO戦記

美味しそうなこと、オモシロそうなことに必要以上に情熱を注ぐ人たちの記録です。スカッシュについても思いついたことを書いてみようかと。 パスワード希望の方は、実名フルネームを明記してteamkano@gmail.comまでメールしてください。

これでいいのだ

赤塚不二夫の葬儀のタモリの弔辞を一部引用


あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係を断ち放たれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で言い表しています。すなわち『これでいいのだ』と。

(中略)

あなたは今この会場のどこか片隅に、ちょっと高いところから、あぐらをかいて、肘をつき、ニコニコと眺めていることでしょう。そして私に『お前もお笑いやってるなら、弔辞で笑わせてみろ』と言っているに違いありません。あなたにとって、死も一つのギャグなのかもしれません。私は人生で初めて読む弔辞があなたへのものとは夢想だにしませんでした。





全文はこの約6倍の長さなんだけど、タモリが手にしていたのは白紙だった。

なるほど、そうゆうギャグだったんだ。
スポンサーサイト



  1. 2008/08/10(日) 11:44:25|
  2. その他
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

野茂

先月、野茂秀雄が引退した。
これが“形式上、2度目の引退”であることを覚えている人はどのくらいいるだろう。

1度目の引退は、近鉄バファローズを退団した1994年。野茂は『任意引退』となった。5年間で通算78勝46敗1セーブ、平均防御率3.15、最多勝利投手・最多奪三振回各4度、最優秀防御率・最高勝率・MVP・沢村賞・新人王各1回という実績を残した26歳の時である。

『任意引退』とは、選手の保有権を最終所属球団が有する引退。現役か指導者等でプロ野球界に復帰する場合には最終所属球団に復する事が原則であり、他球団へ所属の場合は最終所属球団の了解を要する。
複数年契約と代理人交渉という野茂の要求を受け入れなかった近鉄は、任意引退とすることで野茂を“飼い殺し”にしようとした。「いずれ野茂から頭を下げてくるから、現役に復帰させてやればいい」くらいの考えだったのだろう。

「プロ野球界に復帰する場合」というのは「日本のプロ野球界」ということであり、外国のリーグは対象外となる。よって野茂はアメリカ行きを表明する。これに対し、スポーツ新聞はこぞって非難した。無責任、恩知らず、掟破り、世間知らず、思い上がり、身勝手……
この背景には、日本のプロ野球機構が野茂の行動を快く思っていなかったことがある。野茂を擁護・応援する論調を展開すれば、日本プロ野球界での活動がやりにくくなるのだ。記者の中には、野茂の挑戦を支持していた者がいたのかもしれないが。

だがこの状況は、日本でもある程度知名度があったドジャース入団が決まったあたりから風向きが変わり始め、メジャーリーグで活躍し始めると一変した(1995年は13勝6敗 防御率2.54で新人王獲得、翌年は16勝11敗 ノーヒット・ノーランも達成)。




これに関し、著書の中で野茂はこう書いている。


今頃になって、「取材させてほしい」とか「取材に応じる義務がある」とか言いますが、僕からしてみれば、あまりにも都合がよすぎます。
人間、足を踏んだほうはそのことを忘れていても、踏まれたほうはその痛みを、決して忘れないものなんですよ。
わずか数ヶ月前、ほとんどのマスコミは僕をどう扱いましたか?
僕が大リーグ行きを表明した時、それこそ「永久追放」だとか「協約破り」だとかいってバッシングをしてたでしょう。それなのに、今になって急に手のひらを返して「いや、野茂の活躍は日本人に勇気を与えた」なんて平気で言う。

言論でメシを食っている人は、自分の言論に対して責任を持ってもらいたいです。僕のとった行為が違法なら、無視し続ければいいじゃないですか。「いや、会社の方針が変わったので、またヨロシク」と言われても、僕には関係のないことです。
新聞は売れればいいんですか? テレビは視聴率を取れればいいんですか? そのためには平気で主張を曲げるのですか? 僕には考えられないことが多すぎます。


「僕のトルネード戦記」 1995年





これはマスコミについて書かれているが、日本のプロ野球機構に対する気持ちも同様だと思って良いだろう。
メジャー12年間で320試合に登板し123勝を挙げた野茂だが、2006、2007年はメジャーでの登板はなかった。日本球界復帰は十分考えられる状況だった。実際いくつかオファーはあったらしい。だが野茂の中では、その選択肢はなかった。

恨んでいる、とかではない。信義を重んじる男は、状況が変わったからといって態度や主張を変えない。かつて自分を裏切り者と呼んだ組織のオファーには、応じないのだ。



批判をする、それは構わない。ただ「批判された方は、決してそれを忘れない」ことを肝に銘じておかなければならない。批判するときは、周囲に流されたりするのではなく、自身の信義に基づいてする。そうでなければ、野茂のような“筋を通す男”とは付き合えない。

忘れてはならないことだと思う。
  1. 2008/08/06(水) 22:39:18|
  2. その他
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2