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TEAM KANO戦記

美味しそうなこと、オモシロそうなことに必要以上に情熱を注ぐ人たちの記録です。スカッシュについても思いついたことを書いてみようかと。 パスワード希望の方は、実名フルネームを明記してteamkano@gmail.comまでメールしてください。

視点を示す

サンセットブリーズ保田のフットサルコートを撮影せよと言われた、多くの人はスカッシュコートのある建物から俯瞰し、3面あるフットサルコートをフレームに収めるだろう。

家元が撮ったのは、これ




「フットサルコートが3面ある」という説明にはなっていない。でもそんなのはキャプションで加えれば良いのだ。
ハナっから、説明しようとしていない。したかったのは、「独自の視点を示す」ことなのだ。普通の人とは違う切り口で物事を捉えると、「へえー」とか「ほぉ~!」と思わせるものを創造することができる。
写真を撮るのは、視点を示す行為なのだ。


新しい視点を示すのは、カメラマンだけではない。ダウンタウンの松本人志や、爆笑問題の大田光もまた、多くの人が気付かない独自の視点で物事を捉え、それを笑いに結び付ける。上質な笑いは、新しい視点を提示している。


文章も同様だ。
オモシロイ日記を書く人は独自の視点を持ってて、それを提示してくれる。独自の視点で切り取った伝えたいこと、メッセージがある。

そのメッセージに賛同したり、反発する。これはごく当然のこと。いろんな感じ方、受け止め方があっていい。「家元はああ書いてたけど、オレはこう思う!」があれば、聞かせてもらえるとありがたい。killshotさんのこのコメントのような視点を提示されると、ブログ書いてて良かったぁと思えるのだ。


家元が提示するものがツマラナイなら、わざわざ読みにこなくていいっつーの。読むのに金払ってるなら、金返せっ!と言う資格あるけどさ。
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  1. 2007/11/30(金) 20:01:01|
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足りないもの(2)

今回の全日本、優勝にふさわしい実力を備えていたのは、私見では松本淳、清水孝典、福井裕太の3人だった。これに次ぐ第2グループが、岡田賢、前川宏介、土屋雄二、田山健司、机伸之介の5人。

今大会をマラソンに例えると、「25kmで第2グループが遅れ始め、優勝は3人に絞られる。30kmで福井がリタイア、35kmから松本がスパートして独走、そのままゴール」といったところ。清水、福井は松本とトラック勝負する実力がありながら、その前に勝敗が決まってしまった。


3人の中で、「優勝するのは、オレだ!」と最も本気で信じていたのが、松本淳だったということなのだろう。1年に1度しかないこの大会の恐さを嫌というほど味わい、それを克服した者のみが身に付けることができる強みを、自分のものにしたのだ。


大会前、私の周囲では福井裕太を優勝の本命に挙げる声が多かった。
「ユウタ君の方が、強い」 代表選考会にも出たある選手は、他の優勝候補と比較してそう言い切った。

結果はご存知の通り。数日前から体調を崩し、試合中にめまいを起こして2、3ラリーまったくボールが見えない状態に陥ってしまった。不運ではあるが、体調管理能力も実力のうち。優勝に相応しい条件を備えていなかったということなのだ。




決勝で我々の胸を打つプレーができなかったという結果からすれば、清水孝典の“勝とうとする意志”は貧弱だったと言わざるを得ない。スカッシュの実力では前川宏介よりも上だが、今大会に限れば、“勝とうとする意志”に関しては劣っていた。
だが、清水は元来から負けじ魂が希薄な性分なわけではない。今大会では出せなかっただけである。国内で最も重要な今大会で、だなのだが。

その原因は種々の要素が複雑に絡み合っているのだろう。だからこれから私が指摘するのは、その要素のひとつに過ぎない。だが、やはりとても大きな意味を持つと私は感じている。


残念だが、1年3ヵ月前に指摘したことを繰り返す。
私が清水の練習風景をみる限りでは、「自分を追い込んでいる」とは感じられない。坂本聖二のトレーニングをみた時に感じた“凄み”のようなもの、「この人、イッちゃってるんじゃ…?」とまで思わせる鬼気迫るものを、清水の練習からは感じ取れない。

もちろん、我々エンジョイプレーヤーなら5分と持たずに音を上げてしまう厳しいトレーニングを積んでいる。だがそれでは足りないのだ。前川や土屋があの試合でみせたレベルの“勝とうとする意志”を、練習時から剥き出しにする必要があるのだ。
練習と試合だけをしていれば良い環境にはない。だがそれは世界一になれない理由にはなっても、日本一を獲れない言い訳にはならない。



決勝の3rdゲーム、松本8-6でマッチボールを握ったラリー。松本の放ったフォアストレートドライブは床に落ちていたゴミを拾ったのだろうか、サービスボックスの後ろでバウンドすると、スピード増してサイドウォールを這い、懸命に伸ばした清水のラケットをあざ笑うかのようにすり抜け、バックウォールで2度目のバウンドをした。

清水が一心不乱に勝つことに取り組んできていれば、スカッシュの神様は清水にラッキーバウンドをプレゼントしかもしれない。あの場面で清水にラッキーがあったからといって、試合をひっくり返せたかどうかは怪しい。だが、あそこで試合を終わらせはしなかっただろう。もう少しチャンスを与えてくれたはずだ。

神様がチャンスを与えてくれるのは、それにふさわしい日常を過ごした者だけなのだ。闘いは始まっている。残された時間は、すでに360日を切っている。
  1. 2007/11/29(木) 21:41:57|
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足りないもの(1)

「2年前、タケさんと決勝を戦っているときの清水さんは、楽しそうでした。『スカッシュが大好きで、もっともっとスカッシュしたいからラリーを続けたい。だからピックアップを頑張る』、そんな感じがしたんです。
日が暮れてもまだ帰りたくなくて、『ねっ、あと10球だけ。ねっ、いいでしょ?』とキャッチボールをねだる少年のような清水さん、観ていて楽しかったなぁ。ハラハラドキドキさせられたし、最後は残念だったけど。

今日の清水さんは… うまく言えませんが、楽しそうに見えなかった。何か大切なものを取り上げられ、それを奪い返そうとして半ベソかく寸前みたいな。観てる私も苦しくなっちゃいました。」



宇都宮からの帰路、全日本決勝を観戦した私の練習仲間のひとりが、こんな感想を聞かせてくれた。確かにこの日、決勝戦での清水は楽しそうにボールを追っていなかった。ミスをする度、自分にイラつくように表情を曇らせる。

清水は試合を楽しむべきだったのか?
いや、試合に臨む者の態度としてそれは間違っている。



今大会のベストゲームを問われたら、前川宏介vs土屋雄二の準々決勝を挙げる人が多いのではないか。2人の“勝とうする意志”がぶつかり合う、見応えのある素晴らしい試合だった。
もし2人が「試合を楽しもう」としていたら、観る者の胸を打つことはなかっただろう。「勝つのはオレだ!コイツなんかに負けてなるものかっ!!!」という気迫が、ギャラリーを唸らせるショットを土屋に打たせ、執念のピックアップを前川に要求する。死に物狂いな魂と魂がぶつかり合うからこそ、観ていて楽しいのだ。前川自身も楽しかったはずだ。土屋も、結果は別として、パフォーマンス自体は楽しかったのではないだろうか。

「試合を楽しむ」は結果としてそうなるのであり、目的にすべきものではない。競技志向のプレーヤーに、「試合を楽しんできてください」と声を掛けるのは止した方がいい。彼らの目的は、観光旅行ではないのだ。




では清水に足りなかったのは、“勝とうとする意志”なのか?





(つづく)
  1. 2007/11/27(火) 20:19:17|
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まとまらない。

全日本に関して、書きたいことはいくらでもあるのだが、どう表現したら良いのかわからないでいる。


勝つことにこだわり、勝つことのみを追い求めていた私は、今大会で『負けること』に興味を抱くようになった。何故、勝ってもおかしくない実力がありながら負けるのか。実力を出し切れる者とそうでない者の違いは何なのか。


少し時間を掛けて考えてみたい。







  1. 2007/11/27(火) 03:22:40|
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苦言への苦言

これ

「批判をするときや苦言を呈するときは、実名」を自分に戒めている。

「オメーに言われたかぁねーよ!」と批判されるリスクを負わないで批判をするのは卑怯であり、何よりそうしたリスクを負ってプレーしてる選手に対して失礼だ。


あの内容、「オレはこう思う」と書くなら、アリだ。ひとつの主観、意見ではある。
だから、その「オレ」が誰なのかを示さなければならない。それができないなら、苦言を呈する資格などない。

匿名でなければ批判できない卑怯者は、大嫌いだ。
  1. 2007/11/26(月) 09:23:02|
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ブログ拍手

そりゃーさ、今日はアップの早さを重視したから、大したことは書いてないさ。

でもさ、ブログ拍手が全日本レポートで最も多い(11月25日 23:21現在)のが、結果だけしか書いてないこれってのは、どーゆー仕打ち?






ばっ、ばかっ!
スネてなんかないし、今さら家元のレビューにブログ拍手を押したからって、機嫌治るとでも思ってるの? 笑わせないでっ!!!

「ただちょっと、アナタにかまって欲しかっただけ」なんて、ゼッタイ言わないんだから…








ところで、「ツンデレの元祖は、海原雄山。」という説があります。

みょーに、納得☆
  1. 2007/11/25(日) 23:38:21|
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全日本(12)

[決勝]
松井千夏bt鬼澤こずえ 9-3 9-1 9-1

松井は動きの良さを決勝でもキープし続け、鬼澤のパワー・スピードを寄せ付けなかった。
  1. 2007/11/25(日) 18:44:50|
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全日本(11)

[決勝]
松本淳bt清水孝典 9-1 9-2 9-6

ピックアップを続けることで相手に「このままラリーをしていても勝てない」と思わせ、リスクの高い攻めをさせる、それが清水のプレースタイルのはず。だが、清水がミスをしていたのでは話にならない。松本はリスクを負うことなく気持ち良くショットを繰り出すだけで主導権を握ることができた。
3rdゲームになり、やっと清水は気迫のこもったピックアップをみせ、松本にプレッシャーを掛ける。しかし時既に遅く、松本を捕えることはできなかった。
  1. 2007/11/25(日) 18:07:49|
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全日本(10)

[3位決定戦]
新多祥子bt前川美和 4-9 8-10 9-1 10-9 9-2

前日の準々決勝では怪我予防のテーピングをしていた新多だが、この日は怪我をカバーするためのテーピングが痛々しい。踏ん張りが効かないながらもショットで何とか前川をかわし3位の座を得た。
  1. 2007/11/25(日) 16:37:07|
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全日本(9)

[3位決定戦]
岡田賢bt前川宏介 9-6 6-9 9-6 9-3
  1. 2007/11/25(日) 15:37:29|
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全日本(8)

[準決勝]
松井千夏bt前川美和 9-3 9-3 9-0


鬼澤こずえbt新多祥子 9-3 9-2 9-4

新多の動きがおかしい。ボールを追ってのストレッチが効かないのだ。一方鬼澤は集中を切らさずステディにラリーを進め、初の決勝進出を決めた。
  1. 2007/11/25(日) 13:21:31|
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全日本(7) 未来へ

[準決勝]
松本淳bt岡田賢 10-8 9-2 9-2


清水孝典bt前川宏介 9-1 10-8 9-1

この試合の数分後に始まった松本vs岡田の1stゲーム、スコアは10-8。それでも9-1のこちらよりも数分早く終わった。松本が決勝進出を決めた時点で、清水は2ndゲーム7-7。何度もここで書いているが、「この試合に勝つために」ではなく「トーナメントに勝つために」必要なことは何なのかを、清水は考えなければならない。
前川は簡単に勝てる相手ではない。だからこそ、それを考え実行しなければならないのだ。

2ndゲームの前川は、西尾竹英のように丁寧に展開を作り、綺麗なタッチショットでラリーの主導権を握る。しかし試合の主導権を握るには至らなかった。
土屋には通用した。しかし清水には効かない。この差を埋めるのに必要なことを、クレバーな前川なら必ず見つけ、自分のものにしていけるだろう。前川のプレースタイルなら、年齢を重ねることは有利に作用するはずだ。
  1. 2007/11/25(日) 11:19:04|
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全日本に棲む魔物

いえ、ルパンは大変な物を盗んでいきました。家元の「睡魔と闘う力」です。




読者の方から
「レポートお疲れさまです。伸之介くん、もうちょっと粘って欲しかったですね」
とメールをいただいた。

それに対する家元の返信が以下である



送信日時:07/11/24 23:32

タイトル:うん

全日本は、他のどんな大会よりも緊張するものみたいだろう。まぁ、案山子みたいなどら焼きで、中にあんこうがいっぱい入っていけたからに。






全日本の睡魔に、家元も飲み込まれたようです。
こんなメールを送ったこと、全く記憶にないが、記録にはある★


オヤッシュ!
  1. 2007/11/25(日) 01:30:52|
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バッジ

「サチの会」だって



愛されキャラなんだね。
  1. 2007/11/24(土) 23:51:00|
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全日本(6) 充実

[準々決勝]
松井千夏bt上野光代 9-0 9-1 9-0


前川美和bt道下和子 9-5 9-3 9-4


新多祥子bt外谷愛 9-0 9-5 9-3

新多のプレーに柔らかさを感じる。マレーシア留学して1年半の小林海咲を観た時の感覚だ。
無理に攻めに行くのではなく、ベーシックなプレーに徹する。「無理をする必要なんてないのよ」とでも言いたげな落ち着きを身に付けた新多。大きく崩れることはないだろう。



鬼澤こずえbt横田真由美 9-0 9-1 9-5

鬼澤が充実している。元来のパワー・スピードに精神的な強さ、安定感が加わった。明日のパフォーマンスが楽しみだ。
  1. 2007/11/24(土) 20:17:56|
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全日本(5) 夢の続き

[準々決勝]
松本淳bt丹埜論 9-2 9-5 9-7


岡田賢bt田山健司 7-9 10-9 9-3 9-10 9-0

田山1ゲームアップの2nd、岡田5-8からのサーブを田山はレシーブでニックを狙いダウン。「まだ3点差ある」という余裕が流れを変えるきっかけを作ってしまった。

田山は岡田に引けを取らない反応の早さをみせ、4thゲームではすざまじい気迫でボールを追う。しかし勝負のポイントを逃した代償は大きかった。



前川宏介bt土屋雄二 9-6 4-9 10-8 10-8



清水孝典bt福井裕太 0-9 10-9 9-0 9-1

清水は2ndゲームを0-6とリードを許す。ここまで1ポイントも取ることができない。福井のドライブのタイトさに比べ、清水のそれはコース/長さ共に精度を欠いているのだ。
しかしここから清水は気迫のこもったピックアップを繰り返す。7割方ニックに入った福井のドロップを執拗に掻き出す清水。それにプレッシャーを受けた福井のショットがティンを叩き始める。最後は清水がバッククロスをニックに叩き込み逆転でゲームカウントをタイに持ち込む。

3rdゲーム清水2-0からのレシーブで、突然福井が動きを止めてしまう。貧血、立ちくらみを起こしたような仕草を見せる福井、ここから為す術なく敗れ、「10代での全日本制覇」の夢が消えた。

図らずも私が昨日書いた通りの敗れ方をしてしまった福井。体調管理も実力の内と自覚すべきだ。
日本チャンピオンが福井の最終目標ではないはず。努力は裏切らない、新たな夢を。
  1. 2007/11/24(土) 18:48:12|
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全日本(4) 全日本に棲む魔物

[2回戦]
前川美和bt戸田好子 9-5 5-9 9-6 9-1

スピードとパワーで押す前川、丁寧に展開を作りタッチショットを決める戸田、お互いの持ち味を出し合い迎えた3rdゲーム6-6、我慢比べに勝ったのは前川だった。疲れから戸田の決めにいくショットがダウンし、このゲームを前川が取ったところで勝負あった。
この場面、前川も体力的にかなりキツかったはず。勝敗を分けたのは「勝ちを急いだかどうか」だった。





[2回戦]
外谷愛bt大宮有貴 2-9 9-5 9-2 9-0

2日目は影を潜めていた“全日本の魔物”が、ここに姿を表した。
2ndゲーム大宮のドライブのコントロールが悪くなったことが、外谷のショットに勢いを与えてしまう。

全日本では何が起こるかわからない。
昨年は松井を飲み込んだ全日本の魔物は、今年は大宮を選んだ。他のプレーヤーもほんのちょっとしたきっかけで餌食にされてしまう。
一瞬たりとも気を抜けない。それが全日本なのだ。
  1. 2007/11/24(土) 13:38:46|
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全日本(3) 真価

[2回戦]
福井裕太bt机伸之介 9-3 9-1 10-8

立ち上がり、机は力強いドライブを繰り出し福井と対等のラリーを展開する。先月の代表選考会でも課題だったクロスのコースがセンターに集まるのを修正できれば面白い試合になる… と思わせたのだが、ここから机のショットがティンを連続して叩き、“いつもの展開”となってしまう。

2nd、3rdゲームもこの展開は変わらず、福井はその実力を存分に発揮しないままここも勝ち上がってしまうのかと思われた終盤、福井のショットが乱れ机が8-7でゲームボールを握る。やっと福井の実力が発揮されそうになったが、ここでもやはり机のショットがティンを連続で叩きマッチオーバー。
福井の真価を計るのは、準々決勝に持ち越された。
  1. 2007/11/24(土) 13:04:04|
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全日本(2)

[本戦1回戦]
宮崎智尚bt清田孝之 9-3 2-9 9-5 9-3

ラケットワークのセンスもさることながら、宮崎は下半身がバランスよく安定しているため、ショットにブレが少ない。その差が3rdゲーム以降点差になった。最後は清田の脚がついていかなくなり、宮崎がベスト16入りを決めた。
  1. 2007/11/23(金) 19:58:49|
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全日本(1) 万全

[予選決勝]
福井裕太bt増田健一 9-5 9-0 9-1

まだ実力のほんの一部しか披露していない段階なので、そのパフォーマンスによるものではなく、表情や立ち振舞いからの印象であることをお断りしてく。

福井は課題のひとつである精神的不安定さを、この1年で克服したようだ。香港でのトレーニングやPSAトーナメント出場で積んだ経験によるものだろうか。

だとすれば、残る課題は自身の体調管理のみ。相手は誰であろうと関係ない。
そう思わせるに足る充実振りを見せた。
  1. 2007/11/23(金) 15:06:52|
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視線を向けるべき先

高円宮妃殿下が全日本決勝をご観戦される。とても光栄なことだ。

妃殿下がJSAの名誉総裁に就任され、観戦にも来ていただけるのは、「スカッシュの普及と振興の役に立ちたい」と思ってくださるからだと察する。

であるならば、「いかにスカッシュのために役立っていただけるか」を考え実行するのが、スカッシュの普及と振興に携わる者の使命であり、妃殿下のご厚意・行動にお応えする術だ。
それはスポーツをこよなく愛してらした故・高円宮殿下のご遺志に応えることでもある。
腐心すべきなのは「いかにつつがなくご接待申し上げるか」ではないのだ。


視線を妃殿下にではなく、スカッシュに向ける。

こうした発想を持つことが、スカッシュの普及と振興に携わる者には求められる。
  1. 2007/11/23(金) 08:44:36|
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主観を示すということ

2つの飲食店を比較する。
立地以外の条件、すなわち料理・価格・接客・内装などは同じ。

A店の立地は、「街の中心部、駅に直結したビルの地下1階」。
B店は、「街の外れ、タクシーでしか行けない場所。風光明媚で、その地方の伝統的様式で建てられた古城を改装している」

さて、アナタはどちらの店を高く評価しますか?



客観的に判断すれば、「A店、B店どちらにもメリット/デメリットがある。どちらが良いかは利用者の事情によるので、評価は同等」ということになるだろうか。
ミシュランの赤本は、間違いなくB店に高評価を与える。なぜならミシュランは、「独自の主観に基づいて評価を下すガイドブック」だからだ。客観的評価などしない。

ミシュランは元々タイヤメーカー。ユーザーへのサービスとしてロードマップを作成し出版した(青本)。車を使って旅行する人に役立つものを提供し、走行距離が増えればタイヤの需要も増加するという狙いもある。そして旅行者のために観光地を紹介したガイドブック(緑本)を出す。さらに、遠くからでも行きたくほど素敵なホテルやレストランのガイドブックを出せばもっと旅行者が増えてタイヤの需要が増す。

これがミシュランガイドの成り立ちだ。B店の方が「わざわざ遠くからでも行く価値がある」、だからミシュランはB店をより高く評価する。客観的にではなく、ミシュラン独自の価値観に基づいて判断するのだ。


もう10年以上前になるが、フランス・スペイン・イタリアを旅行した際、ホテル/レストランの選択にミシュランガイドを使った。そうして実際にいくつかのホテル/レストランを利用すると、「ミシュランがこうゆう評価をするお店は、こうゆう店なんだな」と傾向を掴むことができる。そうなれば、俄然『使えるガイドブック』になる。ミシュランの価値基準がはっきりしているからだ。日本の出版社が発行してるガイドブックは、価値基準がみえないので使いものにならない。



あなたの身の回りには、「あの人がイイ!って言う店は、安くて量が多いだけで味はイマイチよねぇ」とか「あの人がお薦めする店は確かに美味しいけど、お値段もそれなり」という人が存在しないだろうか。そういう趣味・嗜好がはっきりした人は、「ガイドとして使える」のだ。一方、どのお店に行っても美味しいとしか言わない人は、ガイドとしては使えない。

自分と趣味・嗜好・価値観が似ている人を見つけ、その人のお薦めを信用する。これが一番失敗のないお店選びのやり方だ。もちろん、100%趣味が一致する人なんていないから外れのケースもあるが、その確率が最も低い方法がこれなのだ。





さて、ここまでが前振り(長っ!)

昨年の全日本ではオフィシャルサイトで、一昨年は半オフィシャルで試合のレビューをしてきた家元、今年はここでのみレビューを掲載する。よって家元の主観・価値観・嗜好・趣味がストレートに反映された、マニアにはヨダレもんのレポートがお届けできるだろう(笑)
試合自体がつまんなかった場合はレポートもそれ相応になってしまうが仕方ない、家元のせいではない。


家元と趣味が合わない人は、悪いが他をあたってくれぃ。趣味が合わない人の書いたものなど、わざわざ見に来ることはない。

「家元はこう書いているが、オレはこう思う」という意見を聞かせてもらうえるなら、大歓迎。コメントやメールをいただきたい。
ただし、「それぞれの主観が違うということであり、どちらかが正しくもう一方が間違っているのではない」ことを理解し、お互いの主観を認め合った上で話ができる人に限る。


困ってしまうのは、「客観的でない。偏っている!」という指摘。
「ここは“イッツ・ア・イエモトズ・スモールワールド”、主観的で偏ってますが、何か?」としか対応のし様がない。
ここは家元が良いと感じたものを良しとし、悪いと感じたものをそう指摘する場所なのだ。事実と違う箇所があれば、「事実と違う」とご指摘いただけるとありがたい。


私はジャーナリストではないし、ましてや裁判官でもない。「正しい/間違っている」を裁くことはできない。だが、ライターではある。「これが正しい、あれは間違っている。私はそう思う」と書くことができる。共感する人もいればそうでない人もいる。ただ、それだけのことだ。
  1. 2007/11/22(木) 15:36:49|
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アクシデント ~さらば激闘を共にした仲間よ

サンセットブリーズオープンから1ヵ月を経過した今、そろそろこの事実を打ち明けても良い頃だろう。
ツチヤユージの初戦の相手は家元、そこにはこんな秘話が隠されていた。



それはユージvs家元の前の試合が始まったころだった。ラケットやタオルを用意しようと控え室でバッグの前にしゃがんだまさにその瞬間、悲劇が家元を襲う。
腰の下の方から鈍いイヤな音が聞こえて来た。強い違和感を覚え、しばらくそこから動けなくなってしまう。



原因はこれである





あろうことか、

短パンのお股のところが15cmに渡って裂けてしまったのだ。




合掌。




すかさず近くにいた練習仲間のAさんと交渉、短パン借用を成立させると(Aさん、ありがとう☆)コート裏でコソコソと着替え、何食わぬ顔で試合に望んだ家元だった。

だが、試合直前に起こった非常事態による精神的動揺は抑えきれず、本来のパフォーマンスとはほど遠いものだったことは否めない。あのアクシデントさえなければ、ユージと互角の勝負ができていたはずだったのだ。


女子大生・OL・人妻は、「ワタシのを使ってくださいっ(はぁと)」と自分のパンツ(生)をクール宅便急で送ってくればいいんじゃないかな♪
  1. 2007/11/21(水) 12:01:32|
  2. スカッシュ
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ただ、なんとなく

ミクシィのニックネームを「家元マジで恋する5秒前」にしようとしたら、字数制限でハネられました★

いっこです。





「いえもと」だから、“いっこ”なんだよぉ。パクリぢゃないんだぞっ!
  1. 2007/11/20(火) 20:56:41|
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勝とうとする意志 ~早熟の天才は輝きを取り戻したか

日本が初めてワールドカップに出場した1998年フランス大会、初戦のアルゼンチン戦を0-1で落としたサッカー日本代表は、次にクロアチアと対戦する。引き分けでは決勝トーナメントに進出は厳しく、負ければ絶望的という状況だった。
前半を0-0で折り返すも後半スーケルにゴールを許し0-1で日本は敗れ、予選リーグでの敗退が決定する。


この大会を振り返り、小説家の馳星周が以下のように述べている



日本代表の敗戦を考えるとき、必ず準々決勝のドイツ対クロアチア戦が脳裏をよぎる。退場者を出し、なおかつ2点をリードされるという圧倒的に不利な状況の中、ドイツ代表は点を取るために-勝ち残るために怒涛の攻めを繰り返した。テクニックとイマジネーションに劣るためにその攻撃が実を結ぶことはなかったが、あれは確かにゲルマン魂と呼ばれるものだった。

翻って、我が大和魂はどこへ消えてしまったのか? 同じクロアチア戦、決勝トーナメントに進出するためには、引き分けでも厳しく、ほとんど勝つしかないという状況で、点をとるためにピッチを駆け回っていた代表選手は何人いたのか? 私見をいわせてもらえれば、中田と中山、秋田、相馬それに川口の5人しか本気で勝つつもりでいた選手はいなかった。おそらくは、あの日、灼熱のスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールのピッチに立っていた他の6人は、そんなことはない、おれたちだって勝つつもりでいたというだろう。その気持ちを嘘だとも思わない。だが-ドイツ代表の勝とうとする意志の前では、日本代表の意志はあまりに貧弱だったと断定せざるをえない。あそこで勝たなければワールドカップは終わってしまうのだ。勝てる相手だったのだ。

あの状況で、勝つためにチームの意志を統一できないということが、経験のなさであるということもできるかもしれない。しかし、それでも-悔しさを抑えることはできない。

日本サッカー協会が腐っていて、監督に能力がない。それでも、選手に勝とうとする意志があったなら、ピッチに現出されたサッカーはまったく別のものになっていたはずだと、わたしは思わずにいられない。



<1998年文芸春秋社刊 「蹴球中毒(サッカージャンキー)」>





「勝とうとする意志があれば、勝てる」
これは必ずしも正しくない。クロアチアに敗れたドイツがそれを証明している。勝つためには、相応の技術・体力が必要だ。

「勝とうとする意志がなければ、勝てない」
闘いに臨む者の姿勢として、これは正しい。「勝てるかな」や「勝ちたいな」では勝利を掴み取ることはできない。己を信じる強烈な意識が必要なのだ。







「賢になら、問題なく勝てる」

サンセットブリーズオープン準決勝、岡田賢戦を前にして土屋雄二はそうタカを括っていたフシがある。しかし現在の岡田賢は、土屋の記憶の中の岡田から数段レベルアップしていた。

1stゲーム、“普通に入った”土屋は、「あれっ?こんなはずでは…」と驚いただろう。これには反応できまいと思って放ったショットに岡田は(意外にも)反応し、ラリーを終わらせることができない。5-9で1stを落とすと土屋は気持ちを入れ替え、ギアを2段上げる。ショットの精度を高めるとともにピックアップに行くスピードも速め、2ndゲームを9-6と取り返す。

だが2ndでの頑張りが土屋の体力を奪う。すべてを使い切ったわけではないが、一時的にキツくなり、3rdゲームを体力回復に充てざるを得なかった。
3rdゲームを捨てたことで取り戻した体力は、4thで使い切ってしまった。ファイナルゲームを前にしたインターバル、土屋は肩で息している。

4thゲームの土屋は素晴らしかった。ショットのテクニックの高さは周知の事実だが、ピックアップにもそのセンスとテクニックは活かされることを示した。動き出しも早い。「これには決まった」と思わせた岡田のボールを難なくピックアップする土屋は、PSAプレーヤーを彷彿とさせた。
惜しむらくは、そのプレーをファイナルゲームで披露する体力が残っていないことだ。岡田の実力を見誤り、1stゲームを落としたのが敗因。そう私はみていた。


だがファイナルゲーム、土屋は私の予想を裏切る。
体力が残っていたこと、ボールを追ってスライディングを試みたことにも少なからず驚かされたが、最も意外だったのは、これほどまでの“勝とうとする意志”を土屋が有しているという事実だった。岡田にマッチボールを握られても、「勝つのはオレだ!」と信じて疑わない強烈な意志。折れない心。勝利者のみに許される美しいまでの傲慢。

今まで私が見たことのない土屋雄二が、そこにいた。
早熟の天才は、輝きを取り戻したのか。


[サンセットブリーズオープン準決勝]
土屋雄二bt岡田賢5-9 9-6 1-9 9-3 9-8





この2年ほど、松本や清水と対戦し敗れたときの土屋は、「この大会では、コイツには負けてもいいっか」と試合前から決めているフシがあった。自分と相手の実力を冷静に吟味し、分が悪いと判断すると、それでも何とか勝ってやろうと悪あがきはしないのだ。
人一倍負けず嫌いで、傷つくことに臆病であるが故、そんな態度を取ってしまうのだと私は解釈している。

裏を返せば、土屋が「コイツには勝てる」と思っている相手には、必ず勝つということ。サンセットブリーズオープン準決勝で、それを証明してみせた。“勝とうとする意志”さえを持って試合に臨めば、松本淳も認める勝負強さを発揮する。


“勝とうとする意志”を持って闘う姿は、観る者の心を打つ。どんなに実力やセンスがあっても、それがなければ輝きを放つことはできない。

今年の全日本、土屋雄二はどこまで勝つつもりでいるのだろう。準々決勝、いや準決勝か。それとも…
  1. 2007/11/19(月) 08:26:52|
  2. スカッシュ
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香蘭

宇都宮の地元民に支持者の多い餃子専門店「香蘭」


焼き餃子1人前6個で250円 皮が美味しい


ここも正嗣とおなじく、ライス・ビールなし。メニューは焼き餃子と揚げ餃子のみ。

んー、でも家元はやっぱ正嗣の方が好き。



香蘭 (コウラン)
宇都宮市本町2-5
028-622-4024
16:00~21:00
  1. 2007/11/17(土) 22:49:04|
  2. おいしいもの
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ルール翻訳(6) 批判されるべきもの

信じてもらえないかもしれないが、私はJSA発行ルールブックの翻訳者を尊敬している。
私は、WSFのサイトに掲載されているルールのごく一部を訳したのだが、それでもそこそこの作業量だった。あれを全て訳すとしたら、どれだけ大変なことか。一部を訳したことのある私だからこそ、その大変さが実感を伴って理解できる。

翻訳者に対しては、一方的に友情に近い感情を持つようになった。「戦友のような感情」と言った方が適当か。まあ、100%片想いだろうが(笑)
翻訳能力とスカッシュへの理解度に関して指摘したが、その人物そのものを批判したのではない。あれだけの作業をした方なのだ、スカッシュへの深い愛情を持っている方なのだろう。とても批判する気にはなれない。ルールブックの出来はまた別の問題だ。



現行のルールブックは、日本のスカッシュの普及と振興に多大な貢献をしていると同時に、普及と振興の妨げもしている。
スカッシュのルールを知ろう、審判資格を取得しようと意欲に燃えてルールブックを手にした人を、かなり高い確率で絶望させている。こんなのとても理解できない、と。

審判資格試験の学科で私は96点を取ったが、それはルールブックを使って勉強したからではない。既に実践でルールを知っていたのだ。知っているから、ルールブックの理解できない部分を「こんなの関係ねぇ」と読み飛ばすことができた。
ルールを知らない人が、あのルールブックを用いて知ろうとしても、かなり難しいだろう。「理解できないのは、自分の理解能力が低いから」と勘違いして自身に失望した人も多いに違いない。

わかりにくいだけでなく、誤訳や現実ではまず起こりえない状況を記述した部分もいくつかある。あのルールブックを発行したことは、スカッシュの振興に貢献した。しかし、あれをこのまま放置しているのは、スカッシュの界にとってマイナスなのである。



私はルールブックの翻訳者を批判しない。
スカッシュの振興を担う責務を負いながら、あのルールブックを改訂せずに放置している者を批判する。職務怠慢である。

「お金がないから」は言い訳にはならない。JSAのオフィシャルサイトに掲載すればいいのだ。ウェブサイトを維持さえしていれば、発信に追加コストは必要ない。
WSFのサイトにはルールの全文が掲載されていて(英文)、誰でも自由に読むことができる。スカッシュの普及・振興のためにはその方が望ましい。訂正すべき箇所が見つかったら、すぐに対応もできる。

「やる人がいない」も、通用しない。なぜなら、ここに『やる人』はいるからだ。
  1. 2007/11/16(金) 17:44:25|
  2. スカッシュ
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ルール翻訳(5) わかりにくさと闘う(後編)

JSA発行のルールブックはわかりにくい。理解しようと真面目に取り組むとイライラする。ルールブックに目を通した人の多くが、同様の感想を抱いただろう。

何故そうなってしまうのか?
何度か取り上げているストロークになる場面について言及した以下の項を用いて解明していこう。



12.8.4 the player refrained from hitting the ball which, if hit, would clearly have struck the opponent going directly to the front wall; or to a side wall but in the latter case would have been a winning return (unless in either case turning or further attempt applies).


[ルールブック訳]
12.8.4 プレーヤーは、ボールを打つのを止めたが、もし打っていれば、フロントウォール方向に直接向かっている対戦相手に明らかにボールがぶつかっていたであろう;あるいはサイドウォール方向に向かっている対戦相手にぶつかっていたであろうと思われる場合。ただし、後者のケースではウィニングリターンになっていたであろう場合(どちらの場合でも回転あるいはさらにボールを打とうとする試みが適用された場合はこの限りではない)。



[家元訳]
12.8.4
プレーヤーAはボールを打つのを止めた。
もし打っていたら、そのボールは明らかにプレーヤーBに当たっていた。

また、そのボールは(プレーヤーBに当たらなければ)
「直接フロントウォール届いた」
もしくは
「サイドウォールを経由してウィニングリターンになった」
と判断される。

(ターンニング/セカンドトライの場合を除く)





1.日本語として正しくない、レベルが低い

この文の主語は「プレーヤーは」である。原文からして明白だ。述語は…


述語は…









ない?!





そう、ない。

述語は行方不明になっている。
「プレーヤーは、ボールを打つのを止めた」で文を一旦終了させるべきだった。ところが「~が、もし打っていれば」と続けてしまう。こうなったからには、「対戦相手にボールをぶつけた」を述語に仕立てあげるべきなのだがそれもしない。文は捻れに捻れ、結局述語にだとり着けずに終わってしまう。

翻訳者は書いているうちに、自分が何を書いているのかわからなくなってしまったのだろう。もしかしたら、最初から何を書こうとしたのかわかっていなかったのかもしれない。


とにかく、これは日本語として成立していない。わかりにくい、というより「わからない文」なのだ。ここまで酷くはなくとも、日本語としてぎこちない文がこれ以外にも数多くある。





2.英文読解のミス

原文はそう難解ではないのだが、少しだけ難しいところがある。「"going directly to the front wall; or to a side wal"が何を修飾している語句か?」だ。
正解は"the ball"なのだが、やや離れた位置にあるため直前の"the opponent"と間違えやすい。


このトラップに、ルールブック翻訳者は見事に引っ掛かっている。

>フロントウォール方向に直接向かっている対戦相手に明らかにボールがぶつかっていたであろう;あるいはサイドウォール方向に向かっている対戦相手…



この程度の英文読解のミスはままあること。そう目クジラを立てるほどのものではない。実は英文法上では"the opponent going directly to the front"を、「直接フロントウォールに進んでいる対戦相手」と訳すのは間違いではない。むしろこちらが普通の解釈と言っても良いくらいだ。


だが『スカッシュのルールとして』解釈するのであれば間違っている。ここをこう誤解したことは、単なる英文読解上のミスだけに留まらず、スカッシュのルール翻訳として致命的欠陥が存在することを示している。




3.スカッシュをよく知らない

「野球のルールをよく知らない作画者が描いた野球マンガ」があったとしよう。
「サードランナーはタッチアップでホームに突入した」と原作者が描写したシーンに、作画者は「外野手がフライを捕球する前にサードランナーが走り出している絵」を当てはめてしまうかもしれない。

この場合、原作者や編集者が「これはオカシイ」と指摘し、正しく修正されるはずだ。もしそのまま出版されてしまったら、そのマンガはリアリティに欠けると読者に受け取られ、人気は得られないだろう。まあ、野球をよく知らない人物に野球マンガを描かせるというのがそもそも間違っているのだが。



スカッシュにおいて、「フロントウォール方向に直接向かっている対戦相手」とはどんな状況が考えられるだろう?

「プレーヤーAが打ったドロップやボーストをピックアップに向かうプレーヤーB」
これはあり得る。だがその状態にプレーヤーBに、プレーヤーAが打球をぶつけるのは起こり得ない。ストライカーはプレーヤーBだからだ。
そして「サイドウォール方向に向かっている対戦相手」とは、何をしている?

ちなみに「フロントウォール方向に直接向かって」の“直接”は、「サイドウォールやバックウォールを経由しないで」という意味。故に「後者(サイドウォールに向かっている)は、ウィニングリターンになる場合」と条件付けがなされる。
ということは、「サイドウォールやバックウォールを経由してフロントウォールに向かう対戦相手」も存在するのだ。何じゃそりゃ?


スカッシュをよく知っていれば、「サイドウォールやバックウォールを経由してフロントウォールに向かう」のは「対戦相手」ではなく「ボール」だと、原文を読まなくてもわかる。これを「対戦相手」として違和感を抱かないのは、スカッシュをよく知らない人である。



スカッシュをよく知らない人たちによって翻訳され、発行された。

これが、JSA発行のルールブックがわかりにくい最大の理由だ。
スカッシュをよく知らないから「原文に記されている状況を具体的にイメージする」作業ができない。したがってそれを日本語で的確に描写できない。
つまり翻訳者は、何を書いているのか自分でもよくわからないで書いている」のだ。




これを裏付ける例をもうひとつ挙げておこう。


[ルールブック訳]
9.ボールが対戦相手に当たりプレーヤーが回転する


文面通り一連の動作としてこの具体的イメージを思い描くと、かなり滑稽なシーンになる。


原文は以下

9. BALL HITTING THE OPPONENT AND A PLAYER TURNING


この章では、「対戦相手にボールが当たる」と「プレーヤーが回転する。その後ボールを打つ、または打とうとして止める」という2つのケースに言及している。それぞれ別の事例なのだ。
これを一連の動作と解釈できるのは、スカッシュをよく知らない人だけである。





スカッシュをよく知らない人が翻訳していること。これが英文読解能力/日本語文章作成能力の低さよりも深刻な、ルールブックをわかりにくくしている原因なのだ。

従ってルールブックをわかりやすいものにする方法は、スカッシュをよく知っている人が翻訳・発行に関わること。「翻訳能力がある人が翻訳し、スカッシュをよく知っている人が監修する」という分業でも構わない。

現状のルールブックは、スカッシュをよく知らない人によって翻訳・発行された。致命的欠陥を抱えているのである。
  1. 2007/11/15(木) 18:22:57|
  2. スカッシュ
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ルール翻訳(4) わかりにくさと闘う(前編)

「スカッシュのルールとして」ではなく、純粋に読解問題として以下に取り組んでみて欲しい。


[ルール7.7.3]
落下物がプレーヤーからの場合には、ルール7.7.5に該当しないかあるいは原因が対戦相手との衝突による場合以外は、そのプレーヤーはラリーを失わなければならない。



[問題1]
上の[ルール7.7.3]に従ったとき、下記の文が正しいときは○、間違っていれば×をつけよ。

①プレーヤーが物を落としたときであっても、その原因が対戦相手との衝突による場合は、そのプレーヤーはラリーを失なわない。

②プレーヤーが物を落としたときであっても、ルール7.7.5に該当する場合は、そのプレーヤーはラリーを失なわない。




答えが出たかな?

①は簡単だろう。
「『その原因が対戦相手との衝突による場合』以外→ラリーを失う」
とあるので、
「『その原因が対戦相手との衝突による場合』→ラリーを失なわない」。
よって正解は「○」。


②は・・・ 「わからない」が正解?

[ルール7.7.3]は、
「『ルール7.7.5に該当しない場合』以外→ラリーを失う」
と理解するのが普通だろう。とすると、
「『ルール7.7.5に該当しない場合』→ラリーを失なわない」
になり、さらに
「『ルール7.7.5に該当する場合』→ラリーを失う」。

よって答えは「×」になる。しかし、どうもスッキリしない。

かなり無理があるが、
「『ルール7.7.5に該当しない』→ラリーを失う」
と取れるような気もする。とすると、
「『ルール7.7.5に該当する』→ラリーを失なわない」
よって答えは「○」。


結局、よくわからないのだ。




「読解問題として」ではなく、「スカッシュのルールとして」はどうだろう。
[ルール7.7.3]を読解しようとしても徒労に終わる。そこでカンニングっぽいが、ルール7.7.5を見る。

7.7.5 物体が床に落ちたときそのプレーヤーがすでにウィニングリターンを決めていた場合には、そのプレーヤーは、ラリーに勝ったものとしなければならない。

こうなれば答えは明瞭、「『ルール7.7.5に該当する』→ラリーを失なわない」が正しい。
[ルール7.7.3]の文を読んでも理解できないが、スカッシュという競技はどうゆうものであるのかを知っていれば、[ルール7.7.5]を見ることで理解できる



もうひとつの“カンニング策”は、原文(翻訳前の英文)にあたることだ。

7.7.3 If the object falls from a player, that player shall lose the rally, unless Rule 7.7.5 applies or the cause is a collision with the opponent.


[家元訳]
7.7.3 プレーヤーAが身に付けていた物を床に落としたとき、プレーヤーAはラリーに負ける。

ただし、以下の場合を除く
・ルール7.7.5が適用される
・落下の原因がプレーヤーBとの接触



とてもスッキリする。
原文を読む、もしくは家元訳を読めば内容は明確に把握できる。


JSA発行のルールブックを読んでいてよくわからない箇所に出くわしたら、原文にあたると良い。これは以下と言い換えても事実を突いている


スカッシュの英文ルールは、JSA発行のルールブックに変換されると、わかりにくくなる。


どうしてこんなことになってしまったのか。
次回でその理由を明らかにする。
  1. 2007/11/14(水) 07:33:53|
  2. スカッシュ
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ルール翻訳(3) 翻訳のプロセス

「ルール翻訳(2) ノーレットとストローク」で訳した最後の項を取り上げて、家元翻訳のプロセスを解説しよう。


[ストロークになるケース]

12.8.4 the player refrained from hitting the ball which, if hit, would clearly have struck the opponent going directly to the front wall; or to a side wall but in the latter case would have been a winning return (unless in either case turning or further attempt applies).


これを直訳すると以下になる


12.8.4 そのプレーヤーは、もし打っていたら直接フロントウォールもしくはサイドウォールに向かって(ただし後者の場合ではウィニングリターンになる)進み、明らかに対戦相手に当たったであろうボールを打つことを止めた(どちらも回転や更に打とうとする試みが適用される場合を除く)。


この翻訳は一応日本語として成立している。しかし、「とてもわかりにくい文」である。


なぜわかりにくいのか? 
主語と述語が離れていることが第一の原因だ。

主語:「そのプレーヤーは」  述語:「止めた」

「そのプレーヤーはボールを打つことを止めた」がこの文の根幹である。


そして「そのプレーヤーは」と「ボール」の間に、「○○で△△でXXな」という、ボールに関する説明が3つ入る。さらに△△には「その場合、~~になる」と条件が付加される。


以上の通り、「主語と述語の間に挟まれている内容が盛りだくさんで複雑なこと(重層構造を成している)」がこの文をわかりにくくしている第二の原因だ。



英語の場合は構造上、

・主語と述語が近くにある
・文の根幹は、文の前方に位置する
・「that」や「which」などで語句の関係が示される

という特徴があるので、この程度の複雑さは何とかクリアできる。だが複雑な文を日本語に直訳すると、主語と述語の間に複雑で長い内容が入るため、必然的にわかりにくい文になってしまう。



これをわかりやすくするする方法のひとつが、文をできるだけ短く切ってしまうことだ。
短くい文が続くと原文のリズムが崩れ、また小学生の作文のようになってしまうため、小説や論文などではベストの方法とは言えない。しかしルール翻訳でなら積極的に使うべきなのだ。


例の文は「複文+重文」と見なすことができる。

重文は以下の順番に並ぶ
(主語1、述語1)、(主語2、述語2)、(主語3、述語3)、…

これに対し、複文は以下の構造を持つ
主語1、{(主語2、(主語3、述語3)、述語2}、述語1



これを念頭に置き、例文を短くしてみよう。まず「主語+述語」のシンプルな形にする。そして状況を整理し、語句を変換したり追加する作業を加える。


①プレーヤーAは(主語1)ボールを打つのを止めた(述語1)。

②もしプレーヤーAが打っていたら、ボールは(主語2)明らかにプレーヤーB(対戦相手)に当たった(述語2)。

③もしプレーヤーAが打っていたら、ボールは(主語3=主語2の繰返し)直接フロントウォールに向かって進む(述語3)。

④あるいは、もしプレーヤーAが打っていたら、ボールは(主語4=主語2、3の繰返し)サイドウォールに向かって進む(述語4)。

⑤サイドウォールに向かって進むボールは(主語5)、ウィニングリターンになる場合に限定される(述語5)。

⑥「③、④」のどちらも(主語6)以下の場合を除く(述語6)。

⑦ターンニングやセカンドトライが(主語7)適用される(述語7)。




以上のように、まず原文が指し示している状況をそれぞれ具体的にイメージする。そしてそれを簡潔・明瞭に表現することを優先して意訳したのが、家元訳である。


[家元訳]
12.8.4
プレーヤーAはボールを打つのを止めた。
もし打っていたら、そのボールは明らかにプレーヤーBに当たっていた。

また、そのボールは(プレーヤーBに当たらなければ)
「直接フロントウォール届いた」
もしくは
「サイドウォールを経由してウィニングリターンになった」
と判断される。

(ターンニング/セカンドトライの場合を除く)





JSA発行のルールブックの翻訳と比較すれば、「わかりやすさの差」がご理解いただけるだろう。



[ルールブック]
12.8.4 プレーヤーは、ボールを打つのを止めたが、もし打っていれば、フロントウォール方向に直接向かっている対戦相手に明らかにボールがぶつかっていたであろう;あるいはサイドウォール方向に向かっている対戦相手にぶつかっていたであろうと思われる場合。ただし、後者のケースではウィニングリターンになっていたであろう場合(どちらの場合でも回転あるいはさらにボールを打とうとする試みが適用された場合はこの限りではない)。




英文和訳に取り組んでいる方は参考にされたし。受験英語の場合は、直訳を参考にした方が良いのかもしれないが。


Carpe Diem.
  1. 2007/11/13(火) 12:00:27|
  2. スカッシュ
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